キョーワ式フィルターユニットS型(袋型根固め工法用袋材)

当社は、波動作用下における利用を念頭においた袋型根固め工用袋材「フィルターユニットS型」の総代理店として海での袋材の普及拡大に努めています。海における袋材の使用には、耐波安定性・耐摩耗性に優れた「フィルターユニットS型」をお薦めいたします。

特長

  • 拘束ロープ採用により中詰材の動揺を抑止して、波作用時の安定性を向上させます
  • 破断防止構造として「2ウェルラッセル網地」を採用し、耐摩耗性を従来製品比で約30%向上させます
  • 被覆工の重量算定計算に必要となる安定性パラメータ (Ns値) を明示します。
  • 柔軟な構造体のため、設置面との馴染みが良く、荒均し程度の地盤凹凸でも据付可能です。
  • 備蓄・搬送が容易であり、製作工期短縮、コスト縮減が可能です。
  • 中詰材にコンクリート塊等を用いれば、リサイクル利用を促進します。
  • 中詰材の空隙は、多孔質空間となり、生物の多様な生育環境を創出します。
  • 洋上風力発電設備の支持構造物(モノパイルなど)周りの洗掘防止工で実績があります。
  • 洋上風力発電設備をはじめとしたケーブルなど線状設備の敷設における不陸調整対策や移動・滑動対策および洗掘防止対策として実績があります。

製品仕様

項目 4t用(MS) 6t用(MS) 8t用(MS)
タイプ 背高* 標準 幅広* 標準 背高* 標準 幅広*
形 状 袋(網1重)
材 質 再生ポリエステルラッセル網(モスグリーン**)
網 地 1670dtex × 33本 × 2ウェル 1670dtex × 45本 × 2ウェル 1670dtex × 57本 × 2ウェル
引張強さ 2600N/本以上 3400N/本以上 4000N/本以上
網目の大きさ 50mm目
中詰材 玉石、割栗石、コンクリート塊(75mm~人頭大程度)等
容 量 約2.5m³ 約3.75m³ 約5.0m³
質 量 約3.8~4.2t*** 約5.7~6.3t*** 約7.6~8.4t***

* これまでと同じ質量で1袋当りの敷設面積が広くなった「幅広」と積み上げた際に少ない段数で高さをカバー出来る「背高」を製品化しました。

** S型(MS)に使われているモスグリーン色の網は、従来の(黒)と同等の耐候性を有しています。(黒)に比べ、自然になじむ色になりました。

*** 中詰材の比重・大きさにより、質量は変動します。

波に対する安定性

フィルターユニットS型を混成堤マウンド被覆材として使用する場合の安定パラメータNs値は下図の通りです。

  • 【海】消波工、根固工、傾斜堤、離岸堤、人工リーフ、突堤
  • 【河川】根固工、床固工、水制工、締切工

製作手順

製作手順動画

製作は従来のフィルターユニットと同様の簡易な手順で行うことができます。

袋体を製作枠にセット

中詰材を重機で投入

袋の口を縛る (拘束ロープを引き出しておく)

製作枠を引き抜く

拘束ロープを引き出し、結ぶ

完成

使用上の注意

フィルターユニットの網地の耐候性については JIS の規格による室内実験では十分な耐力を持っていることが証明されています。
耐磨耗性については現場での長期間の実績がないのが現状です。このことを踏まえ、

  1. 内湾や港内の根固め、被覆、砂止め堤、洗堀防止、藻場基盤材などとして使用されることをお勧めします。
  2. 外海で砂利や砂などの底質の動きが激しい場所では十分な検討の後にご使用いただくことをお勧めします。

利用事例

港内捨石マウンド被覆

海岸災害復旧根固め工

緩傾斜護岸根固め工

防波堤マウンド被覆工 (水理実験写真)

洋上風力発電設備モノパイルの基礎洗掘防止工

洋上風力発電システムに係る海底ケーブルの不陸調整対策

仮設道路の基盤(段積)

浜崖対策

藻場造成用基盤材

技術評価など

  • 国土交通省
    NETIS新技術情報提供システム 登録No.CBK-040002-V(掲載終了)
  • 一般財団法人 沿岸技術研究センター
    港湾関連民間技術の建設審査・評価事業 評価証取得 第21003号

備考

  • 参考文献 「袋型根固め材を用いた混成堤マウンド被覆材の耐波安定性と耐久性」 (港湾空港技術研究所報告 Vol.43 No.1 ,2004)