トンネル覆工コンクリートへの透水性型枠の適用方法

覆工コンクリート表層の品質を向上

当社は岐阜工業株式会社、前田工繊株式会社と共同し、覆⼯コンクリート※⽤型枠に透⽔性シートを設置する⽅法を考案し、トンネル覆⼯コンクリートへの透⽔性型枠の適⽤を可能としました。 当施工方法はトンネル透水性シートを用いて、覆工コンクリート表層の品質を向上する技術です。 ⼭岳トンネルの施⼯では、覆⼯コンクリート下部(路⾯付近)のコンクリート表⾯に気泡痕や砂筋が発⽣しやすく、これらがコンクリートの耐久性を低下させることが問題でした。橋脚や擁壁等の構造物では、透⽔性シートを型枠に鋲等で固定した「透⽔性型枠」を⽤いて気泡や⽔分を排除することでこれらに対処していますが、トンネル覆⼯コンクリートに使⽤する⼤型で湾曲した鋼製型枠には透⽔性シートを取付けることが困難でした。本⼯法の開発により、気泡痕や砂筋の発⽣を解消したほか、コンクリート表⾯の品質(緻密性)も向上しました。

トンネルの機能と安定性を保つために、トンネル内⾯に設置するコンクリート製の壁。 地⼭と鋼製型枠の間に⽣コンクリートを打設して作られる。

透水性シート設置位置
設置例

従来の施工方法による覆工表面 気泡痕が発生している

透水性型枠を使用した覆工表面 気泡痕がみられない

NETIS登録番号CB-170006-A

特長

  • 透水性シートと鋼製型枠の密着性が向上し、透水性シートにシワやよじれが生じません。
  • コンクリート表面の緻密性が向上するため、覆工の耐久性が向上します。
  • コンクリート表面の気泡痕が解消され、覆工の美観が向上します。

施工方法

施工手順

①インバートフォームを脱型させ、ヒンジ部の面板側に隙間を作る。

②透水性シート上下部に芯材を入れる

③透水性シート上部の芯材を面板側から、セントル内側に引掛け、固定金具にてロックする

④セントル内側から、張力調整ベルトで透水性シート下部の芯材を締めて、インバートフォーム表面に展張する