- プロジェクトストーリー
- 上下水道
水害から街を守る地下トンネルの建設
東櫛原地区貯留施設築造工事
プロジェクト担当者
土木事業本部 工事部 1997年入社
勝島 健(かつしま たけし)
当工事のトンネル掘削は、以前に経験した山岳トンネルとは全く異なる工法であり、想像と違うことも多く、実際に見て、触れることの大切さを改めて実感しました。市街地での工事であったため、周辺環境への配慮を心掛け、無事に工事を完成させることができました。
市街地の幹線道路直下に豪雨時の雨水貯留空間を築造
久留米市東櫛原地区は久留米警察署や久留米広域消防本部、久留米大学病院などが集まる地域ですが、豪雨のたびに家屋の浸水や道路の冠水が発生しており、市民の安全・安心な生活に支障をきたしておりました。当工事では、冠水・浸水被害を防止するため、豪雨の際に雨水を地下に一時貯留する内径4m延長901mのトンネルをシールド工法により市街地の地下に築造しました。
- SCENE
- 01
圧入ケーソンによる立坑の構築
当工事の発進立坑は完成後にマンホールとして利用するため、圧入ケーソン工法により鉄筋コンクリート製の円筒(内径12m)を油圧で地表から沈設して構築しました。施工時は水分を多く含んだ泥土やスライムを掘削除去しなければなりませんが、施工ヤードに隣接したテニスコートへの泥土の飛散が懸念されたため、高さ3mの仮囲い上にさらに2mの飛散防止ネットを設置し、飛散を防止しました。
- SCENE
- 02
シールドマシンの分割搬入・組立
地中の掘進に使用するシールドマシンは、外径φ4530mm、機長7300mmの円筒形で、総重量は約140tにもおよびます。シールドマシンは機体が大きく組み立てた状態では運搬できないため、分割して現地に搬入しました。シールドマシンは主に、地中を掘削するカッタヘッド、カッタヘッドを動かす駆動装置、掘削した土を搬出するスクリューコンベア、シールドマシンの掘進に必要なシールドジャッキ、マシンの外殻となる前胴・後胴などから構成されており、これらの部材を160tラフタークレーンにより順次立坑内へ吊り下し、組立作業を行いました。
- SCENE
- 03
シールドマシン発進時の切羽の崩壊防止
シールド工法の施工において、シールドマシン発進時の鏡切断※は最も危険が伴う作業工程の一つです。通常はシールドマシンを発進させる地盤を広範囲に改良し、鏡切断時の切羽(土砂)崩壊を防止する方法がとられますが、当工事においては、シールドマシンにて切削可能なFFU材(硬質ウレタン樹脂+ガラス長繊維)をシールドマシンを発進させる側壁に組込むことで鏡切断を行うことなくシールドマシンを発進させるSEW工法を採用しました。SEW工法の採用により、切羽の崩壊を防止できたほか、地盤改良範囲を縮小できたため工期を短縮できました。
※シールドマシン発進のため、あらかじめ立坑の側壁に孔を設ける作業
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- 04
周辺交通に配慮した資機材の搬入出
シールドマシンの発進基地は市街地にある公園の一角に設置しました。発進基地に面する市道は交通量が多く、基地から市道への出入り口に制限があるため、工事用車両の通行には十分な注意が必要でした。
発進基地に出入りする車両の台数は、RCセグメント搬入用の大型トレーラーが3台、セメント搬入用の10tローリー車が1台、掘削土搬出用の10tダンプが延べ50台、ほか資材搬入車両が数台と多いため、これらの車両が一般車両の通行に支障をきたさないように、基地周辺での待機場所の選定と綿密な連絡体制を確立し工事に臨みました。また、掘削土の搬出には密閉式ダンプトラックを採用し、運搬中の土砂の落下を防止しました。その結果、事故や苦情を受けること無く施工を完了しました。
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