プロジェクトストーリー
港湾

防波堤を復旧し、物流拠点を守る

相馬港防波堤災害復旧工事

プロジェクト担当者

土木事業本部 工事部 2016年入社

金城 祐介(きんじょう ゆうすけ)

日の出前から事務所に集まり、あらゆる気象海象情報を収集し、日の出とともに波の状況を確認して当日の作業の可否が決まります。目視で感じられないうねりや急な濃霧のため作業せずに引き返すことが多々ありましたが、無事に工期内に竣工できました。初めての海上工事、朝一番が勝負と感じた現場でした。

防波堤復旧の最終工程を施工

東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた相馬港沖防波堤ですが、平成24年3月から本格的な災害復旧事業に着手し、平成30年3月に無事完成しました。本工事はその復旧事業の最終工事であり、沖防波堤の上部コンクリートの嵩上げ及び消波ブロック(30t型~64t型)の製作・据付を行いました。津波により崩れた消波ブロックに合わせ、新たな消波ブロックを効率的に設置するため、ICTを積極的に活用しました。

SCENE
01

3次元測量による現状の把握

復旧に必要な消波ブロックの正確な個数を把握するために、ICTを活用した3次元測量を行いました。
水上部の調査をUAV(ドローン)と3Dレーザースキャナ、水中部の調査にナローマルチビーム測深器を使用し,それぞれの調査で取得した3次元データを統合することで消波工の全体形状を3次元的に捉えました。

SCENE
02

3Dモデルを用いたシミュレーション

3Dプリンタを使用して縮尺1/58の現況模型を出力しました。これを使用して模型ブロックによる据付シミュレーションを行い、据付位置や順序などのベストプラクティスを模索しました。

SCENE
03

AR(拡張現実)を活用し、ブロックを正確に据付

消波ブロックの据付には、当社が開発した「ブロック据付位置形状イメージングシステム」を使用しました。当システムはカメラで捉えた実際の画像に据付位置を示すマーカーをリアルタイムに合成表示するため、潜水士の誘導や丁張設置作業を省略し、安全に効率よく施工できました。

SCENE
04

うねりとの戦い

相馬港は全国の港湾の中でも10本の指に入る厳しい海象の港で、作業できるのはひと月に半分ほどです。加えて、施工箇所は外洋に直面し、防波堤からの反射波もあり、いつも「うねり」が消えない状況でした。実際に8月の稼働は6日のみという結果です。そのため、当社保有の2001テトラ号をはじめ、大型起重機船(250t吊~600t吊)を4隻つぎ込み、施工能力を増大することで無事に竣工することができました。

GALLERY

発注者 国土交通省 東北地方整備局
竣工年 2018年
施工場所 福島県相馬市
工事概要 以下の工事にて東日本大震災により被災を受けた相馬港本港地区防波堤(沖)の復旧を行いました。

相馬港本港地区防波堤
(沖)(災害復旧)上部及び消波工事

上部工: 上部コンクリート665m3
消波工: 消波ブロック据付(テトラポッド40t型)5,093個
消波ブロック据付(テトラポッド64t型) 100個
雑 工: 1式

相馬港本港地区防波堤(沖)(災害復旧)上部及び消波工事(その2)

上部工: 上部コンクリート4,769m3
消波工: 消波ブロック据付(ディンプル30t型) 535個
消波ブロック据付(テトラポッド32t型) 922個
雑 工: 1式

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