- プロジェクトストーリー
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粘り強い堤防を築き、町を津波から守る
荒浜漁港海岸堤防復旧工事
プロジェクト担当者
土木事業本部 工事部 1997年入社
上谷 圭司(うえたに けいじ)
東日本大震災の復旧工事が集中し、資材(コンクリート、石材、砕石)・機械(特にダンプトラック)・作業員の確保や作業用地の調達に苦労しました。
津波越流に対し「粘り強い」効果を発揮する堤防の建設
東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた荒浜漁港海岸の海岸保全施設等の災害復旧工事を4件施工しました。これらの工事は、被災した離岸堤と傾斜型堤防の復旧を行うものであり、離岸堤にはテトラポッド3.2トン型が採用されています。また、傾斜型堤防のり面部には、当社が開発した 「エックスブロックF型」と「クラブロックD型」を用い、津波により堤体自体が全壊しないよう 「粘り強い構造」を実現するための工夫が施されています。
- SCENE
- 01
調整の繰り返しにより施工計画を立案
震災直後の発注ということもあり、設計内容に未定事項が多く、思うように工事に着手できませんでした。発注者や自治体(亘理町)等との調整を繰り返し行い、堤防位置の見直しや断面を決め、施工計画を立案しました。
- SCENE
- 02
復旧工事の集中により工事が難航
堤防建設予定地の周辺に散乱した旧堤防を取壊して撤去することから工事を開始しました。しかし、取壊しにより生じたコンクリート殻は復旧工事の集中により中間処理施設に受け入れてもらえず、また、工事資材となる砕石の調達も困難であるなど、問題は山積でした。そこで、自走式破砕機を導入し、撤去したコンクリート殻から再生砕石を製造して使用することで工事を推し進めました。
- SCENE
- 03
住民の心情に考慮し、施工手順を変更
作業エリアが狭かったので、震災後に設置された仮設堤防の撤去を先行して作業エリアを確保したかったのですが、近隣住民から「海が見えると不安なので、仮設堤防を一度に撤去しないで欲しい」との要望があったため、新たに設置する堤防の盛土を仮設堤防と同等の高さまで先行して施工し、その後、仮設堤防の撤去を行いました。
- SCENE
- 04
二次製品の活用により生コン不足に対応
現場周辺に生コン工場は3つありましたが、復旧工事の集中により、どの工場からもコンクリートの調達が困難な状況でした。一日あたりの納入量も制限され、ずいぶん前からオーダーしないと調達できない状況だったため、コンクリート打設のスケジューリングが工程確保のカギになると予想されました。そのため、裏法基礎、隔壁、階段、天端部のコンクリートを現場で生コンクリートを打設する方法から工場で製作した二次製品を設置する方法に変更し、工程の遅延を防止しました。
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