2020.06.16
お知らせ

大型地盤改良機で初めての自動施工システムを開発

システムの概要

この度、不動テトラ(社長 奥田眞也)とソイルテクニカ(社長 西川晋司)は、大型地盤改良機で初めてとなる自動打設システム「GeoPilotⓇ-AutoPile」(ジオパイロット・オートパイル)を開発しました。
対応したのは、当社の深層混合処理工法であるCI -CMC工法です。従来の施工では、オペレータが管理計器に表示される情報を見ながら、必要なレバーやボタン、ダイヤル、スイッチの操作を行っていました。新たに開発した「GeoPilotⓇ-AutoPile」システムは、撹拌軸の貫入・引抜速度、セメントスラリーの吐出量などが適切な値になるように、コントロールユニットが施工機を制御します。撹拌軸の昇降を行う主巻ワイヤーの緩みは、これまでオペレータが目視で確認していましたが、張力を計測するロードセルを追加することで、コントロールユニットが判断できるようにしました。セメントスラリーの製造プラントと施工機本体は、リモートユニットを介して無線で交信し、本体オペレータが操縦席に座りながらプラント状況の把握と操作をすることができます。施工状況はオペレーションモニターにアニメーション表示され、視覚的に把握しやすくなりました。今後対応可能な工法の拡大に取り組んでいきます。

GeoPilotⓇ-AutoPileの特徴

  1. 操作の簡素化
    施工中に管理計器を監視しながらオペレータが行っていた操作が、コントロールユニットからの制御に置き換わります。これによりオペレータの作業負担が軽減するとともに、手戻り作業が無くなることで施工サイクルが効率化し、生産性の向上が見込めます。
  2. 習熟期間の短縮
    従来、施工ができるまでに3年程度かかっていたオペレータの習熟期間を約3分の1に短縮できます。これにより、若年オペレータや海外現地オペレータの活躍が期待できます。
  3. 確実な品質の提供
    土層毎のスラリー添加量の切り替えや撹拌軸の昇降速度の管理が自動となり、施工誤差やオペレータの熟練度による品質の差異が少なくなります。
  4. 安全性の向上
    本体に取り付けた各種センサーからのデジタル情報により、施工機の状態を監視し続けます。必要に応じてオペレータの注意喚起を図ることや、コントロールユニットから適切な制御を行うため安全性が向上します。

GeoPilotⓇ-AutoPileのシステム構成

GeoPilotⓇ-AutoPileのシステム構成

GeoPilotⓇ-AutoPile搭載状況

GeoPilotⓇ-AutoPile搭載状況

ベテランオペレータによる操作方法の指導

ベテランオペレータによる操作方法の指導

不動テトラが目指すICT地盤改良

これまでに不動テトラとソイルテクニカは、数々のICT地盤改良技術を開発してきました。

GNSS地盤改良機位置誘導システム
-2008年開発-
GNSSを使用して、誘導員無しでオペレータが地盤改良機の施工位置を把握できるマシンガイダンスシステム
Visios-3DⓇ(ビジオス・スリーディ)
-2016年開発-
地盤改良の施工状況を遠隔地で見える化する「リアルタイム施工管理システム」と施工記録の「3次元モデル化システム」
Visios-AR(ビジオス・エーアール)
-2019年開発-
補助作業を行う重機(バックホウやタイヤショベル)に搭載する拡張現実技術を利用した多目的施工支援装置

少子高齢化による生産人口の減少を見据え、建設現場は更なる効率化が求められています。ICTは日々進化を続けていますが、独自技術の自社施工を行う当社だからこそ、本当に必要な技術を見定めることができます。不動テトラの地盤改良技術は、ICTと融合することで、より省力化、より安全に寄与し、現場運営の効率化と生産性を向上させていきます。

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