国交省直轄工事で120トン級大型地盤改良機による遠隔化・自動化施工を実装
荒川第二調節池で始まる、次世代の地盤改良施工
株式会社不動テトラ(代表取締役社長:奥田眞也)は、国土交通省 関東地方整備局が進める「荒川第二調節池地盤改良工事その1」(事業主:国土交通省 関東地方整備局/元請会社:株式会社植木組)において、120トン級の深層混合処理工法(CI-CMC工法)施工機による遠隔操縦および自動化施工の実運用を開始しました。
本取り組みは、当社総合技術研究所試験フィールドでの実証を経て、実際の公共工事で採用された「世界的にも先進的な取り組み」であり、国土交通省が推進する「i-Construction 2.0」の理念に沿って、地盤改良分野におけるDXを大きく前進させるものです。
今回遠隔化の対象となった施工機は、重量約120トン、膨大なトルクと荷重を扱い、地中に高品質な改良体を造成するための極めて大型で高機能な重機です。この巨大重機を、人が搭乗することなく、遠隔地から安全・精密・安定的に稼働させる技術として成立させるとともに、「実証研究」にとどまらず、国土交通省直轄の公共工事という“品質と安全が厳しく要求されるリアル現場”で採用され、実施工を行っています。

■技術概要
大型地盤改良施工機に、遠隔操縦システム「KanaTouch(カナタッチ)※1」を組み込むことで、施工機の遠隔操縦を行います。遠隔操縦室には、監視モニター16台、計器モニター4台を配置しており、オペレータは各種モニターを確認しながら、レバーやスイッチによる操作を行います。操縦室から送信された制御データに基づき、施工機側の操縦席に設置したアクチュエータが作動し、施工機を稼働させるシステムとなっています。
また、自動化施工システムである「GeoPilot-AutoPile(ジオパイロット-オートパイル)」を搭載することで、地盤改良杭の造成に係る一連の操作を自動で行うことが可能です。
本現場では、施工機のキャリブレーションや施工位置への移動などの作業を遠隔操縦で行い、地盤改良杭の造成については自動化施工を適用しています。

大型地盤改良機運転席(アクチュエータ取り付け)状況
■工事概要
本取り組みにおける工事の概要は以下となります。
・改良目的:荒川第二調節池工事における囲繞堤整備に伴う地盤改良工事(堤体の安定対策)
・改良仕様:深層混合処理工法による地盤改良体は、改良径φ1.6mで、2軸施工のため、1回の打設で2本の改良体を造成します。貫入長は 平均約24mです。
・取り組み内容:大型施工機を遠隔操縦する実地検証として、本工事で施工する地盤改良体804本のうち68本について、遠隔操縦および自動化施工を実施します。
■遠隔・自動化施工がもたらす“4つの価値”
①安全 ― “施工の「無人化」によるゼロ災害の追求”
将来的に現場の無人化施工を実現することで、人と重機の接触事故リスクを大幅に低減します。
災害復旧や危険な環境下、さらには猛暑下においても、人の立ち入りを最小限に抑えながら施工を行うことで、人命を最優先とした建設現場の実現を目指します。
②品質 ― “デジタル制御による「施工品質の標準化」”
120トン級という巨大な重機の挙動をデジタル化し、事前に設定した施工条件を正確に自動再現します。オペレータの熟練度による操作のばらつきを抑え、地中に造成する改良体の品質を高いレベルで一定に保ちます。「熟練者の技」をシステムが補助・再現することで、常に安定した高精度施工を実現します。
③効率 ― “1人複数台施工を見据えた「生産性の抜本的向上」”
人口減少による担い手不足が深刻化する中、遠隔・自動化技術は現場の省人化に直結します。
将来的に1人のオペレータが離れた場所から複数台の施工機を管理・操作する「マルチオペレーション」体制の構築を視野に入れ、少ない人数でも社会インフラの整備・維持を継続できる、持続可能な建設モデルを構築します。
④継承 ― “技能を「経験」から「資産」へ変える技術継承”
熟練オペレータの繊細な操作ノウハウを、施工データとして可視化・標準化します。これまで「個人の経験や感覚」に依存していた高度な技能を、組織として共有・蓄積可能な「デジタル技術資産」へ昇華させます。これにより、次世代の若手技術者への円滑な技術継承と、早期の戦力化を支援します。
■今後の展開
不動テトラは、国土交通省のi-Construction 2.0の方向性と歩調を合わせ、遠隔化・自動化・無人化の取り組みを段階的に深化させていきます。災害復旧や危険環境下の工事、猛暑下での施工、さらには海外プロジェクトなど、多様な施工条件に対応可能な次世代地盤改良技術として展開し、幅広い社会課題の解決に貢献していきます。
あわせて、担い手不足が進む中においても、遠隔操縦技術を活用したオペレータのダイバーシティ&インクルージョンを推進し、誰もが安全に、長く活躍できる新たな職場環境の構築を目指します。
※1「KanaTouch」は、株式会社カナモトの保有する建設機械遠隔操縦システムの商品名です。
●株式会社植木組の概要
会社名 株式会社植木組
所在地 〒945-8540 新潟県柏崎市駅前1丁目5-45
創業 明治18年4月1日(1885年)
設立 昭和23年7月26日(1948年)
資本金 53億1,567万円
代表者 代表取締役社長 日下部 久夫
事業内容 総合建設業
