2021.12.02
お知らせ

新発想の独自回転機構を実装した高圧噴射撹拌工法を開発

施工機械を大幅に小型軽量化、環境負荷を大きく低減(CO2削減)「モールエコジェット™工法」

新発想の回転機構と工法の概要

この度、不動テトラ(社長 奥田 眞也(おくだしんや))とソイルテクニカ(社長 西川 晋司(にしかわしんじ))は、噴射エネルギーを利用した新発想の独自回転機構を有する工法「モールエコジェット工法」を開発しました。 新発想の回転機構とは、同一直線上にない噴射口(ノズル)から噴射した流体エネルギーの偶力により先端のみが自ら回転する機構です。この機構により、従来工法のような回転駆動用のモーターが不要となり施工機械の大幅な小型化が実現しました。また人が持ち運べるサイズまで小型/軽量化した施工機械のため施工補助のクレーンも不要となり、地下駐車場や建屋内といった厳しい施工条件においても地盤改良が可能となりました。 さらにモーターやクレーンが不要となることにより、施工場所での二酸化炭素排出量を概ね30%削減し環境負荷を大きく低減させることが可能となりました。
新発想の独自回転機構

モールエコジェット工法の特長

① 人力運搬可能な施工機械

建物やパイプライン等の間の狭い場所や建屋の内部など、従来の施工機械が搬入できない場所でも人が機械を持ち運び施工することができます。(入口が狭くても、幅80cm以上あれば人が押して機材を搬入します)

施工機の人力運搬状況
② 高さ制限下での施工(2.1m程度の高さ制限に対応可能)
建物内やパイプラインの下などで上空に制限のある施工条件でも、クレーンを使用することなく、人が1mロッドを継ぎ足すことで施工ができます。
③ 環境負荷低減(SDGs)
クレーンを使用することなく、また施工機の周囲には発電機などの機器を配置しないため、排ガスの発生のないクリーンな環境での施工が可能となりました。また施工マシンの省エネ化によって、施工場所での二酸化炭素の排出量は従来工法に比べ30%削減しました。(当社従来工法との比較、排泥処理を含まず)
④ 施工管理装置(施工の見える化、情報化施工)
施工段階毎の写真管理により施工管理を行う従来工法に比べて、地中で行われる施工情報を確認しながら操作を行い、施工1本毎に打設結果表として記録を残します。回転数や引抜造成時のステップアップは、自動で制御します。
 

適用市場

従来の高圧噴射撹拌工法は、ボーリングマシンタイプの小型施工機等により大型施工機が適用困難な狭隘地等への適用を主力市場としてきました。不動テトラとしても同様のマシンや機動性の高い小型クローラー式マシンを適用することにより、このような市場に取り組んできました。 しかしながら近年の傾向として、既にある建物の維持補修や耐震化などの地盤改良工事、供用中の工場内での土壌浄化工事など地盤改良に求められるニーズが多様化してきており、従来工法では適用が困難となるケースも多数でてきています。 新たに開発した「モールエコジェット工法」は、このような建物の内部や構造物の地下空間、配管が密集している工場施設など、従来工法では適用が困難な施工条件においても地盤改良が可能となり、不動テトラとしては今後このような市場に果敢にチャレンジすることで事業領域の拡大を図っていきます。
建屋内高さ制限下での施工
供用中の工場での施工

施工管理装置(施工の見える化)

従来工法ではボーリングマシンタイプの施工機を用いるため、施工管理については写真管理(施工深度:削孔ロッドの検尺、噴射圧力:高圧ポンプの圧力計等)やチャート紙による流量管理を行うのが一般的です。今回適用した施工管理装置では、地盤中で行われる施工情報(打設深度やセメントスラリーの噴射圧力および流量等)をモニターでリアルタイムに一括管理することができます。また、回転数の調整や引抜造成時のステップアップは自動制御を行うため、オペレータの作業負担が軽減され働き方改革にも寄与できます。
施工管理装置システム構成

今後の展望、将来の見通し

  • 現在の施工ツールでは地盤改良径が最大で直径1,300mm程度のため、大径化(直径2,000mm程度)が可能なツール展開を図り、適用領域を拡大するとともにコストダウンを目指していきます。
  • 独自回転機構を搭載する施工機械のバリエーションを拡張し、斜め施工や水平施工、仮設足場不要の遠隔(リーチ)施工等を実用化し、さらなる事業領域の拡大に向けて展開を図ります。
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