2024.04.23
お知らせ

地盤改良現場の無人化施工を実証

~遠隔操縦+ICTシステムで地盤改良現場のDXにより、新しい職場環境を目指す~

不動テトラ(奥田眞也社長)およびソイルテクニカ(西川晋司社長)とカナモト(金本哲男社長)は、不動テトラの総合技術研究所試験フィールド(茨城県土浦市)で、地盤改良の施工機において初となる、遠隔操縦による地盤改良現場の無人化実証実験を行いました。
今回の実証実験では、当社の地盤改良施工機に遠隔操縦システム(KanaTouch(カナタッチ)※1)を組み込み、地盤改良施工機の走行、旋回、改良杭の打設を遠隔操縦で行えることを確認しました。また、当社のICTシステムであるGNSS位置誘導システム「Tarpos(ターポス) 3D」や自動打設システム「GeoPilot(ジオパイロット)-(-)AutoPile(オートパイル)」と遠隔操作との連携も行い、地盤改良現場の省人化や無人化へ向けた基本システムの運用を確認しました。
今後は、地盤改良施工機の遠隔操縦に関して、関係各所と協力して無人化現場での安全ルールを確立し、実際の現場への導入を目指していく予定です。

人口減少が進む中、建設産業では高齢の従業員が増加しており、地盤改良施工機のオペレータも担い手不足が深刻となっています。そのため、地盤改良現場でも抜本的な働き方改革が必要です。現場のDXを進めると同時に、オペレータのダイバーシティ&インクルージョンを推進することで新たな職場環境の構築を目指していきます。
※1 「KanaTouch」は(株)カナモトの保有する建設機械遠隔操縦システムの商品名(商標登録中)です。

<実証実験の内容>
① 無線ネットワークにより、高精細な現場カメラ映像のデータや、施工機の制御データを正確に遅延なく通信できることを確認しました
② 施工機の動きをオペレータが体感できるシンクロ型の遠隔操縦席を導入することで、遠隔地からも臨場感のある操作が可能であることを確認しました
③ 無人化施工機稼働エリアへの人の立ち入りや通信不良時における緊急停止など、安全装置が正常に稼働することを確認しました
④ GNSS位置誘導システム「Tarpos 3D」や自動打設システム「GeoPilot-AutoPile」など、既存のICT技術と遠隔操作との連携を確認しました

■ 遠隔操縦+ICTシステムにより目指す地盤改良現場

(1) 現場の無人化による市場の拡大
遠隔操縦とGNSS位置誘導システム「Tarpos 3D」の連携により、現場内では測量作業や誘導員が不要となり、地盤改良現場の無人化が可能となります。災害復旧現場や汚染された環境での施工、または海外や将来的には宇宙開発など、対応可能な市場が拡大する見込みです。
(2) 作業員の安全性向上
遠隔操縦により、作業員は直接作業ヤードに出向く必要がなくなります。建設現場での人と重機の接触災害が防止できます。また、災害復旧現場や汚染環境での作業を回避することができ、作業の安全性が向上します。
(3) 省人化への対応
遠隔操縦と自動打設システム「GeoPilot-AutoPile」との連携により、改良杭の打設が自動で行えるため、オペレータは改良杭の打設中に他の施工機の操作が可能となります。1人のオペレータが複数の施工機を同時に操作できるため、省人化を実現できます。複数台の操作に関しては、今後実証実験を進めていく予定です。
(4) 働き方改革の推進
遠隔操縦技術は、海外を含めた遠隔地やアクセスが難しい場所での地盤改良作業にメリットがあります。高齢化だけでなく、持病や歩行障害などを抱えたオペレータの活躍も期待できます。また、若年オペレータへの技術指導なども遠隔から容易に行うことが可能で、将来懸念される熟練技能者不足の課題に役立ちます。

図-1 遠隔操縦+ICTシステムによる地盤改良の未来像

図-2 実験全景(遠隔操縦)

図-3 遠隔自動打設の状況

図-4 遠隔操作通信仕様

図-5 安全装備

 

●株式会社カナモトの概要
会社名 :株式会社カナモト
所在地 :〒060-0041 北海道札幌市中央区大通東3丁目1番地19
設立  :1964年(昭和39年)10月28日
資本金 :178億29百万円(払込済資本金)
代表者 :代表取締役社長 金本 哲男
事業内容:建設機械器具のレンタル等

本技術についてのお問い合わせはこちら
本リリースについてのお問い合わせはこちら