2022.10.04
お知らせ

地盤改良機の自動施工システムを小型機に展開

地盤改良工法の自動打設「GeoPilot®-AutoPile」(ジオパイロット・オートパイル)の適用範囲拡大

システムの概要

不動テトラ(社長 奥田眞也)とソイルテクニカ(社長 西川晋司)は、地盤改良工法の自動打設システム「GeoPilot®-AutoPile」(ジオパイロット・オートパイル)を、より用途範囲の広い小型施工機に適用することに成功しました。
近年激甚化、頻発化する気象災害や大規模地震に備え、既設の堤防、道路やライフラインなどの地盤改良の需要が増えています。このような地盤改良では、狭隘地や空頭制限下での適用が可能な小型施工機での施工が必要となります。一方、少子高齢化に伴い、地盤改良施工機のオペレータも高齢化が進んでおり、狭隘地施工など難工事を担う人材の減少が懸念されています。今回、熟練オペレータの高度なノウハウをデジタル化し小型施工機での自動施工を可能としたしたことで、これらの社会課題を解決します。

「GeoPilot®-AutoPile」は2020年に開発された大型地盤改良機による機械撹拌式深層混合処理工法(CI-CMC工法)の自動打設システムで、既に実際の現場での実績を重ねており、省力化施工やオペレータの習熟期間の短縮により、若手人材等の活躍の場を広げることに貢献しています。今回、開発した「GeoPilot®-AutoPile」小型機タイプは機械撹拌式深層混合処理工法(CI-CMC工法)に加えて、業界で初めて高圧噴射攪拌工法(FTJ-NA工法)の自動化施工を実現しました。これにより、狭隘地施工や地中構造物への密着施工など難易度の高い工事においても自動化施工による省力化が可能になることから、より安全な施工でより確実な品質を提供します。

GeoPilot®-AutoPile(小型施工機)の特徴

①幅広い施工条件に適応
小型施工機による施工が可能となったことで、狭隘地や空頭制限下での施工など、幅広い条件での施工に対応できます。

② 機械攪拌式と高圧噴射式の2つの深層混合処理工法を選択可能、同一現場での施工切り替えも可能
機械攪拌式深層混合処理工法である「CI-CMC工法」と高圧噴射攪拌工法である「FTJ-NA工法」に対応可能であり、用途に応じて工法を選  択できます。同一現場において、一般施工部は「CI-CMC工法」、構造物との間詰施工部などは「FTJ-NA工法」と同一施工機で軽微な仕様変更により施工することも可能です。

③ 操作の簡素化による生産性の向上
施工中に管理計器を監視しながらオペレータが行っていた操作が、コントロールユニットからの制御に置き換わります。特に高圧噴射工法は1本の打設が数時間に及ぶこともあり、従来の施工ではオペレータに大きな負担がかかっていました。自動施工によりオペレータの作業負担が軽減するとともに、手戻り作業が無くなることで施工サイクルが効率化し、生産性の向上が見込めます。

④ 習熟期間を3分の1に短縮
従来、施工ができるまでに3年程度かかっていたオペレータの習熟期間を約3分の1に短縮できます。これにより、若年オペレータや海外現地オペレータの活躍が期待できます。

⑤ 施工誤差のない確実な品質の提供
土層毎のスラリー添加量の切り替えや撹拌軸の昇降速度の管理が自動となり、施工誤差やオペレータの熟練度による品質の差異が少なくなります。

⑥ 安全性の向上
自動化施工によりオペレータの作業負担が軽減するので、狭隘地で輻輳する重機や近接する既設構造物に対する影響への配慮に注力することが可能です。また、本体に取り付けた各種センサーからのデジタル情報により、施工機の状態を監視し続け、必要に応じてオペレータの注意喚起を図ることや、コントロールユニットから適切な制御を行うため安全性が向上します。

 

 

 

 

不動テトラが目指すICT地盤改良

これまでに不動テトラとソイルテクニカは、数々のICT地盤改良技術を開発してきました。

【省力化】GNSS地盤改良機位置誘導システム -2008年開発-
GNSSを使用して、誘導員無しでオペレータが地盤改良機の施工位置を把握できるマシンガイダンスシステム
【見える化】Visios-3D®(ビジオス・スリーディ) -2016年開発-
地盤改良の施工状況を遠隔地で見える化する「リアルタイム施工管理システム」と施工記録の「3次元モデル化システム」
【省力化】Visios-AR(ビジオス・エーアール) -2019年開発-
補助作業を行う重機(バックホウやタイヤショベル)に搭載する拡張現実技術を利用した多目的施工支援装置
【自動化】GeoPilot®-AutoPile(ジオパイロット・オートパイル) -2020年開発-
地盤改良工法の自動打設システム。初弾として深層混合処理工法(CI-CMC工法)大型施工機に対応。

少子高齢化による生産人口の減少を見据え、建設現場は更なる効率化が求められています。近年、建設現場でのICT施工は一般化が進んでいますが、同時に建設従事者の高齢化も加速しています。不動テトラは独自技術の自社施工を重ねることで得た熟練技術を、ICTの活用により若い世代に伝承していくとともに、常に新しい技術に挑戦することで、より省力化・省人化、より安全に寄与しながら、安心、安全な国土づくりに貢献していきます。